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修理道~達人までの道のり~ VOL.7 K.YAIRI サドル、ペグ修理編
みなさん、こんにちは。吉山の部屋へようこそ。今回は、「K.YAIRI サドル作成、ペグ交換編」をお送りいたします。
1988年製のK.YAIRI YF20というモデルです。かなり傷んでいる状態で汚れもあったので、このヘッドロゴを見るまでわかりませんでした。
「KANI.GIFU JAPAN」の文字がさりげなくカッコイイですね。ほこりが溜まっています。後でキレイにしてあげましょう。ちなみに、このラベルの端っこがガタガタなのは、デザインです。(ネズミがかじったわけではりません。)
スロテッドヘッドタイプ&ワイドサドルが「ビンテージモディファイ」感を演出してますね。この、スロテッドヘッドの弱点でもありますが、上記写真のようにツマミのプラスティック部分が割れやすいようです。こちらのペグも2カ所割れていたので、交換しましょう。
弦を外してみると、ワイドサドルがなぜか真っ二つです。しかし、割れているような感じではなさそうですね。意図的なのか?とも思いましたが、なんとなく嫌なのでこちらも作りなおします。
ここで、一回おさらいして本日のお品書きを書いてみました。
其の一(前菜):フレット磨き、指板の強固な汚れ落とし
其の二(サラダ):ペグの交換
其の三(スープ):ピック弾き傷消し
其の四(メインディッシュ):サドル作成、装着
其の五(デザート):掃除機(全体クリーニング)
ということで、
K.YAIRI YF20、フルコースの始まり始まりです。
まずは、いつものようにフレット磨きから。仕上がりを楽しみにしながらせっせと進めます。前菜ですからね。
フレットが磨き終わったら、指板の汚れ落としです。しかし、かなり「強固」ですね。ブラシ→ふき取りを繰り返す事数分・・・
キレイになりました。磨き終わると・・・・・ほぅ~、なかなか美しいエボニー指板が姿をみせました。ここで‟前菜”は終了です。
お次はペグの交換です。アッサリと行きましょう
完成!(アッサリし過ぎ?)
三品目は「ピックの弾き傷消し」です。冷製スープ風に仕上げていきましょう。
これが・・・
こうなりました。ここまでは順調です。次はいよいよ‟メインディッシュ”です。
この「ワイドタイプ」のサドル、、、、正直苦手です。「これかぁ・・・・・」って感じです。このままダダをこねても仕方ないのでメインディッシュへ取りかかりますか・・・・
まずは厚みの調整をしてサドル溝に入るようにします。
ここまでは良し。次に、ブリッジの傾斜になっている部分(ここでは便宜上‟滑り台”と呼ばせてもらいましょう)にラインを引いて型取りします。
こんな感じです。ラインの続きは?・・・・フリーハンドで!おおよその形になるようにルーターで削ります。(一回り大きめに)
この曲線が難しいですね。まぁ、なんとか、ってところでしょうか。ここから、高さの調整に入ります。切りたいところにラインを引いて、ルーターで切り落とします。この場合も先ほど同様に、1ミリほど大きめに切っておきます。
切り終わったら、表面を仕上げていきます。
万力で挟んでペーパーで「ゴシゴシ」すること数分、形が形成されました。ここまでは、良し。
ここから、表面を仕上げたり、高さの微調整をしたり、オイルに漬け込んだりしますが、例の「滑り台」の端っこの部分に要注意です。つまり、この部分↓
いや、これがですね、サドルを装着したり、外したりする時にですね、ちょっとでも変な力がかかると、「ポキッ!!」といってしまうんですよ。本当に。万が一、作業中に「ポロッ・・・・」なんて落としたりしようものならば・・・・・想像したくありませんが、一からのやり直しです。ここから、作業完了までこの「滑り台」のことで頭がいっぱいになりそうです・・・・・
ビクビクしながら作業すること数十分、形が出来上がりました↑峠は越えましたね。ここからオイルに2日間ほど漬け込み・・・
サドル完成です。↓
出来栄えとしては、うーん、80点ってところでしょうか。プロの方はもっと、こう、なんて言うんでしょう?滑り台の着地地点をもっとシャープに仕上げてくるんですよね。まぁ、落とさなかっただけでも良しとしますか。最後の‟デザート”はお掃除です。そして、最終形はコチラ↓
随分と神経を使ったのか、お腹が減ってきました・・・・・・・(だから料理風の例えだったのか?)とにもかくにも、K.YAIRI YF20まずまずの仕上がりです。完成形をまじまじと眺めながら、「少しは、腕が上がってるのかなぁ?」と心の中でつぶやきつつ、「VOL.7 K.YAIRI YF20 サドル、ペグ修理編」をお届けしました。では、またお会いしましょう。
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