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2010年のカナダ映画「灼熱の魂」

更新日:2016年07月20日

こんにちは、ブックオフ福岡倉庫の山田です。

今日紹介するのは2010年のカナダ映画「灼熱の魂」です。
この映画はドゥニ・ヴィルヌーブという映画監督が監督、脚本を務めており、
彼は今までに「プリズナーズ」、「複製された男」、
そして今年公開された「ボーダーライン」などの作品を監督しています。

元々は舞台が原作となっているこの映画。
ドゥニ監督はこの映画を現在と過去の話を交互に描くことで、
映画ならではの面白さを演出することに成功しています。

この話は本当に救いがなく、
終盤で明らかになる真相には誰もが驚愕し、絶望するでしょう。
しかしそれでも私はこの物語の根底にはある一人の母親の深い愛情が存在しているのだと感じています。

物語はカナダのケベック州から始まります。
ある一人の母親ナワルは双子の姉弟ジャンヌとシモンに彼らへの遺言と、
2通の手紙を残して突然この世を去ります。

母は遺言に姉であるジャンヌには二人の父親に、
弟のシモンには二人の兄に、
それぞれ彼らを探し出して母からの手紙を渡してほしいと記していました。
しかし彼ら姉弟は今まで父親は死んだと聞かされており、
兄に関してはその存在すら知りませんでした。

あまり気乗りしないシモンを残してジャンヌは一人母の故郷へ父の手がかりを探しに行くのですが、
そこで彼女は母が今までに辿ってきた波乱に満ちた人生を知ることになります。

この映画で直接は言及されないのですが、
ジャンヌの向かった母の故郷はレバノン共和国という国であり、
母ナウルは過去にその場所でレバノン内戦を経験しています。

レバノン共和国という国は元々キリスト教徒とイスラム教徒の二つの宗派が存在する国であり、
そこへイスラム教徒を信仰するパレスチナ人が難民として大量にやって来たことで両者に対立が起こったのがレバノン内戦です。

そして母ナワルの物語もまた厳格なキリスト教徒の家庭で育ったナウルと、
イスラム教徒で難民である彼女の恋人が引き裂かれるところから物語が始まります。

ナウルは既に恋人の子供を妊娠しており、家族は彼女を一家の恥晒しと罵倒します。
しかし祖母の助けもあって赤ん坊は無事生まれ、その子供は孤児院へ引き取られることになりました。
そして家族の元にはいられなくなったナウルもまた叔父に引き取られ大学に通うことになるのです。
「息子よ、いつか必ず迎えに行く。」
そう決心して彼女は故郷を発ちます。

ある日ナワルが大学在学中にレバノン内戦が発生することでレバノンの情勢は一変します。
息子の身を案じた彼女は叔父の家を抜け出し、
彼が引き取られたとされている孤児院へ向かいます。
しかしそこは既にイスラム教側の人間によって襲撃されていたのです。

更にその後彼女が難民のふりをして乗ったバスがキリスト教側の兵士達によって襲撃されてしまいます。
彼女はキリスト教側であることを証明して殺されることを免れたものの、
兵士達が難民を撃ち殺し、
そのバスを燃やし尽くす恐ろしい現場を目の当たりにします。

全てに絶望した彼女はイスラム教側の暗殺者になることを決意し、
この内戦を引き起こしたキリスト教側の政治家を殺すことで息子の復讐を果たします。
しかし彼女にはその後禁固15年という過酷な罰が待っていたのです。

難民問題故に起こった二つの宗教の対立。
この映画「灼熱の魂」はそんな争い故に生まれたある一つの家族の悲劇を描いているのですが、
シリアの難民の方々が行くあてもなく混乱している現在、
この問題は私達と全く無関係とは言えないでしょう。
公式サイトにてドュ二監督は以下のように語っていました。

我々はどうすれば終わりのない暴力を生み出す、怒りの連鎖を断ち切ることができるのか。
どうやったらお互いに反目し合う人々、同じ土地の住人、親族達の間に平和をもたらすことができるのだろうか。

壮絶な生涯を辿ってきた母ナワルの魂は燃え尽き、
母の過去、そして自分達の出生の秘密を知った子供達はあまりにも残酷な真実と向かい合ってこれから生きていかねばなりません。
しかし例え残酷であったとしても、
真実を共有しない限り母は子供達に心からの愛を伝えることは出来なかったのだと私は思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。
この「灼熱の魂」という映画は既にDVD、Blue-Rayで鑑賞することが出来ます。
是非チェックしてみてください。

今回の映画はネタバレしないために真相に繋がる部分は全てあらすじからカットしました。
何故母ナウルは姉弟に父と兄を探す旅をさせたのか。
この物語の衝撃のラストは是非ご自分の目でお確かめ下さい。



P.S.
この映画に登場する難民の人達は実際にイラクの難民の人達をキャスティングして演技をしてもらったみたいです。
彼らは「自分達が体験したことを少しでも多くの人に知ってもらいたい」という理由でこの映画に出演することを希望したようです。

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