修理道～達人までの道のり～vol.11 YAMAHA CLP930編

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更新日：2016年11月08日

みなさん、こんにちは。吉山の部屋へようこそ。今回はYAMAHA CLP930鍵盤修理編をお送りします。この「修理道シリーズ」では初の‟電子ピアノ編”です。うまくいくでしょうか・・・

この部分。付箋テープが貼ってある部分の鍵盤が沈みっぱなしです。これらを今回は修理していきます。（この時点では「出来る！」とは思っていません・・・）

まず、「どこから開けようか？」と思いながら、ピアノの背面を見てみると天板を固定しているであろうビスがありましたので、外してみました。あっけなく、天板は外れました。こういう、仕組みなんですね。まじまじと見るのは初めてです。順番的に次はカバー部分でしょうか。いかにも「簡単に取れ無さそう」な雰囲気です・・・

このカバーを前後にスライドさせる為の「ギヤ」。この中心にシャフトが出ており、それがレールの間に入っていますので「これ、物理的に無理っしょ？」と言おうとした瞬間、「あっ！」・・・見つけました！明らかに、一カ所だけビス止めされた‟抜け道”です。これは、間違いなく「メンテ用」の抜け道でしょう。さっそく、外してみます。↓

やはり。ここから、外せるようになっていますね。さすが、「世界のヤマハ」マーベラスです。

抜け道から、シャフトが抜ける瞬間です。ヤッター。

天板、鍵盤カバー、コントロールパネルまで外せました。以前、別メーカーの電子ピアノを解体したことがありますが、その時と比べて非常に「メンテしやすい」構造になっております。しかも、その時のピアノと比べると、木材の質が全く違います。価格帯によるかもしれませんが、比較的安価なピアノは見た目は一緒でも木材部分が明らか「べニア」です。（スッカスカ）べニア素材に木目調のクロスを貼って見た目をよくしているんでしょうね。このクラビは中身のしっかり詰まった「木材」を使用しておられます。音的にも多少の違いはありそうです。

ここから、鍵盤ユニットを外していきます。一部、ハーネスなど繋がっている部分もありますので、慎重に外していきます。

取り外した鍵盤ユニットです。ここから、この鍵盤が「沈む」理由を特定し、解消し、結果的に「修理完了」という形にならないかなぁ～、と思いながら進めてみます。まずは、問題の鍵盤を外してみましょう。

原因は、「鍵盤を固定する部分が割れていました。」でした。それにより、鍵盤が斜めになってしまい、となりの鍵盤との摩擦で、上がって来なくなっていた。という感じのようです。

接着剤で割れた部分をくっつけます。くっつけた後で、割れないようしっかりと圧着します。

鍵盤ユニットを外してしまうと、ほとんど空っぽ状態です。ここに、再び戻して組み立てていきます。と、ここであることに気づきました。鍵盤に「重さを」持たせる為に、仕込まれている「金属のパーツ」が低音弦側と、高音弦側で長さが違う！なるほど、これがいわゆる「GH～グレードハンマー鍵盤」の秘密だったんですね。↓

高音弦側↑

低音弦側↑

完成です。なんとかなりました・・・電子ピアノの故障内容は大きく分けて二つ。鍵盤系の不具合かセンサー系の不具合か。です。センサーの場合だと、場合によってすべての「センサー交換」となることがあり、そうなると自分ではやらない方が良さそうです。まず、メーカーが「センサーのみ」の販売はやってくれないでしょう。（センサー付近をきれいにクリーニングして復活する場合もあります。）

鍵盤系は、どちらかというと物理的問題の方が多いようです。「曲がってしまった」「グリスが硬化してしまった」「汚れが溜まってしまった」、、、、など。この場合は、訓練すれば自分でも何とかなりそうです。

ということで、「電子ピアノ修理編」‟ミッションコンプリート”（一応）です。また、お会いしましょう。

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